子どもの傷害防止戦略(子どもの安全への一般アプローチ)(第4章)

一次予防、二次予防、三次予防 primary, secondary and tertiary prevention

「ガイド50」の4.4 「危害の防止及び低減」preventing and reducing harmには、「危害の発生に至るまでの事象、又は発生後の事象への取組みを行うことで防止又は低減することが出来る。その戦略として次の1つ又は複数を含めるとよい。」としている。

一次予防:ハザードの排除又はハザードへの暴露の排除
二次予防:ハザードへの暴露の確率の低減又は危害の度合いの低減
三次予防:救助又はリハビリなどのアプローチによる、危害の長期的作用の低減

 ここで「一般には安全な製品を設計することが一次予防となる」と記述されている。これは機械安全の基本(「ガイド51」)となっているリスク低減方策としての3ステップメソッドとの関係を連想させるが、異なる概念であることに注意を要する。
 機械安全におけるリスク低減方策は、設計段階におけるリスク低減サイクルを3つのステップをその順序で踏んで行うというものである。「ガイド50」の一次、二次予防に対しては、いずれもステップ1とそれに続いてステップ2で検討することになる。
 それに対し、三次予防は「ガイド51」にはない概念である。予防医学の世界では危害の低減には危害発生後の速やかな回復も含めることとしており、発生前、発生中、発生後の3つの段階それぞれに戦略を練ることを求めている。発生後の三次予防を「予防」と呼ぶのはおかしいとの見方もあるが、子どもの傷害を健康問題ととらえる場合はここにも予め作戦が必要ということである。「ガイド50」は安全関連規格を作成する人のためのガイドであると同時に、子どもの安全を守るすべての人々への情報も提供する資料でもあり、このような記述も含まれるものと理解する。

 予防医学における「一次、二次、三次予防」の考え方については下記の資料がある。
   http://www.ikyo.jp/useful/081112prevention.html

WHOでは、怪我をした子どもはその後の治療、リハビリなどのために病院に入るが、そこで如何に早期に回復できるかということも大きな課題としており、ここでも傷害事故発生後の扱いの重要性について触れている。「ガイド50」の巻末に参考文献(29)として WHO/UNICEF World Report on Child Injury Prevention が記載されている。
   http://whqlibdoc.who.int/publications/2008/9789241563574_eng.pdf 
     p.12 The preventability of child injury の項参照

能動的戦略、受動的戦略

  (作業中)
 

リスクアセスメント

  (作業中)