「ガイド50」JIS Z 8050のタイトル(標題)である「安全側面 safety aspects」という語はあまりなじみがない言葉である。これは「ガイド51」の翻訳版 JIS Z 8051 のタイトルと整合する訳語である。
“aspect” の意味は「顔つき、容貌」「性質」などの他「ものごとの見方」「ものごとを見る側の面」「問題を見る角度」など幅広い意味がある。safety aspectsは「経済面」「環境面 environment aspect」という言い方と同じく「安全からの見方」という意味であり、ガイド50のタイトルは「規格を作る人々が子どもの安全からの見方を規格の中に込めるための指針」という意味である。
「安全側面」は規格を作る人々が考慮しなければならないことであるが、これについては「ガイド51」JIS
Z 8051 第7章「規格における安全側面」に詳しい記述がある。概略下記の通り:
7.1 安全規格の種類
・基本安全規格(広範囲の製品・システムに適用可能な一般的な安全側面に関する基本的な概念、原則
及び要求事項からなる)
・グループ安全規格
・製品安全規格
・安全側面を含んでいる規格
7.2 提案する新しい規格についての分析
a)規格の対象者は誰か
b)規格の種類はどれか(上記7.1)
c)規格の目的は何か
7.3 準備作業
・規格化の作業は対象となる全ての安全側面を同定することから始める。この段階では全ての関連する
情報(事故データ、調査報告書など)を集めることが重要である。
・規格の基本的内容が決まった後は下記に示す安全側面を考慮することが望ましい。
(誤使用、製品・システムの能力、環境適合性、人間工学的要因、法的要求事項、既存の関連規格、
リスク低減方策、メンテナンス、保護手段の耐久性、廃棄処理性、最終使用者の特別なニーズ、
故障特性、表示、組立方法の指示、安全指示など)