- 学校施設の安全点検は、老朽化の点検と老朽化以外の点検に大別される
- 老朽化の点検(期限切れ点検)には、
- 経年劣化(ひび、摩耗、脆くなるなど)
- 破損・故障(実際に壊れる・故障する)
- 整備不良(ねじ・ナットの緩み、注油不足など)
などがある
- 老朽化以外の点検(時代遅れ点検)には、
- 安全基準不適合(そもそも安全でない)
- 運用変更(立入禁止から立入容認へなど)
- 新施設導入・更新(例えばバリアフリー対応で児童生徒の行動様式の変化)
- 外部環境変化(学習内容の変化、児童生徒の変化など)
などがある安全点検の分類と特徴 安全の点検の分類 期限切れ点検
(老朽化)時代遅れ点検
(老朽化以外)いつ 定期点検が有効 不定期
一度だけでも点検項目 補修 改修・改善 点検表 有効 対応困難 詳細については、安全工学シンポジウム2022講演予稿集を参照
子どもの安全研究グループ「学校施設の安全点検に関する一考察」
かかりつけエンジニア(学校での傷害予防を目指して)
1. 全国の多くの学校でかかりつけエンジニアを配備するためには、多くの人材が必要となる
2. 安全に関する技術的知見のあるエンジニア(例えば工場や建設現場で安全管理の経験者)は地域にいる
3. 地域のエンジニアが、子どもの特性や学校教育の仕組みを中心とする知識を習得して、初めてかかりつけエンジニアとして活躍できる養成のための仕組みが必要
「かかりつけ」の意味は
①安全だけでなく、子どもや学校についての知見がある
②地域にいて、継続的に学校の安全にかかわり続ける
そのためには、それぞれの地域においてかかりつけエンジニアを養成していくことが望まれる
「かかりつけエンジニア」とは?
- 学校には学校医(かかりつけ医)がおり、かかりつけの理学療法士がいる場合もある
- 施設・設備の安全点検について、定期点検のほか重大事故発生時の一斉点検など、現場での点検は欠かせないが、技術面で教職員の手に余るものも多い
- 安全点検の手法についても、労働安全分野等で広く実施されているリスクアセスメントの導入が望まれるが、対応できる人材がいない
- これに対し、地域にいるエンジニア(専門家)を活用して、現場の技術的課題に対するアドバイスやリスクアセスメントを行う、かかりつけエンジニアという方法を提案している
課題
1. エンジニアが安全の専門家で工学的な安全についての知見があっても、子どもの特性についての十分な知識がなく、ましてや学校教育の専門家ではない場合が多い
2. このため、教職員・保護者や地域の皆さん、技術以外の専門家など多くの関係者とともに学校の安全を支えていくことが望まれる
かかりつけエンジニアは、何カ所かで試行しており、関係各所と一緒に具体化に向けて調整中です。調整が進みましたら本WEBサイトにてお知らせします。暫くお待ち下さい。2023-08-19