乳幼児の製品事故未然防止を目的とする試験方法 JIS規格 JIS S 0121:2021

 すき間や開口部は、乳幼児の体全体またはその一部がはまり込みや巻き込みのリスクがある。硬質な製品だけではなく、ループ状のロープ、ひも、コードあるいは網(ネット)でも発生する事がある。

 すき間や開口部を評価するときに使用できる、指差し込みブローブ、胴(体幹)、頭の試験用の治具のJIS規格が2021-03-22に制定された。試験対象となる製品は、生後 0 か月から 84 か月(7 歳)未満の乳幼児(以下、「乳幼児」という。)が接する消費生活製品全般(乳幼児用製品を含む)である。

 このJIS規格には、成長過程において身体寸法が大きく変更する部分につい
ては、試験プローブの設計寸法に年齢(月齢表記)区分が設定されており、乳幼児の年齢(月齢)に応じた試験プローブの形状および寸法が含まれていることには注目される(ここまで細かいデータはこれまで無かった)。

 このJIS規格は
・CEN_TR 13387-3 Child use and care articles – General safety guidelines part3:Mechanical hazards
・EN 1176-1:2017 付属書D 捕捉の危険源のための試験方法
・ASTM F 404  Standard Consumer Safety Specification for High Chairs 
を元に作成されている。

なお、JPFA((一社)日本公園施設業協会)が提唱するJPFA点検器具AおよびBとは違いがある。

本規格はnite(製品評価技術基盤機構)から提案されたもので、提案の背景や関連情報がniteのWEBサイトにあるのでご覧頂きたい。
    乳幼児に対する安全配慮を目的とした製品の共通規格の提案
また分かり易い解説が建材試験情報 2021 5・6 Vol.57 pp. 18 ~20にある。

以上